愛と生を生きる

2015年秋新規がKinKi Kidsへの愛を語ります。Twitterは@lovelife77_k3

アイドルという翼

KinKi Kidsがジャニーズの中では王道じゃないということを踏まえても、やはりアイドルという枠組みの中で語るとするならば、アイドルってジャンルの枠を超えていくんだな、と感心する。
それは1枚のアルバムの中の音の振り幅が広いということ。
「Be With Me」の最後に株を上げたと思ったら、「我儘」で大暴落した情けない男、とかそういう歌詞の振り幅ではなく。
あ、でも、「たいむ・とらべ・らばーず」へのつながりはいろんな意味で見事。


ではなく、Mアルバムで言うなら、「たいむ・とらべ・らばーず」と「Want You」と「EXIT」が同居するってすごいなあと。ついでに「aeon」も。
ポップでEDMでロックでスパニッシュでって。
そのうち2つならあると思う。
でも3つ4つと重なった上に、1枚のアルバムとして成立していて、なおかつそれが現在のKinKi Kidsの姿になってるって、二人の声の力もあるけど、アイドルだからだなあと思う。


私の偏った音楽遍歴から言って、B'zもフリッパーズギター小沢健二も、アルバム単位では変化していったけど、そんな振り幅はなかった。
90年代前半の打ち込みサウンド→ポップなロック→ブルージーなロック→ハードロックとか、

ネオアコ→60年代のおしゃれ映画音楽風→賛否両論のサンプリングだらけの問題作とか、

荒野の一人ぼっちロック→爆発する僕のアムールソウル→ジャジーな大人トリオ→言葉で語るのをやめたのかインストゥルメンタル→折衷というけど、どブラックミュージック→ライブは詩を朗読もするけどやっぱり多幸感溢れるセットリスト、とか、

新譜を聴く度に予想の遥か斜め上を行かれるのは、20年以上前から慣れている。


けれど、それは普通1枚には収まらない変化だ。
なのに、それらを収めた上で、どこから切ってもKinKi Kidsと言えることに凄みすら感じる。
それは、私達が、アイドルである彼らにストーリーを見ているからなんだろう。

どんなストーリーも重ねることができる。
アイドル、まさに偶像。
そうして彼らの人生を消費してしまっていることに罪悪感も覚えつつ、やっぱり、その翼で、いろんな姿を見せてほしいと強く思う自分に、業が深いなと呆れてしまう。
愛を、人生を、もっと感じたいから。
同世代として応援するから許して、と言いたい。